20世紀には、刺身は各国の料理にも取り入れられることとなった。
1980年代になると、日本料理は欧米などでも流行し、各国の料理にも影響を与えるようになった。イタリア料理と結びついた例では、イタリアでは牛肉を用いて作るカルパッチョをマグロなどの魚で作り、供される事が多くなっている。ヨーロッパでは冷凍の刺身も簡単に購入できるようになっている。
日本が統治を行った台湾では、地元の海産物を使った刺身を食べる習慣が台湾人にも徐々に広まった。台湾の俗語では「沙西米」(サシミ)と呼ばれており、日本食としての扱いであるが、夜店の屋台でも食べさせる例は多い。クロマグロやカジキが好まれている。
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韓国では刺身のことを「フェ(膾)」という。もとは文字通り「なます」の意であったが、日本統治時代以前に日本風の刺身がプサン(釜山)に伝わり、日本統治時代以降は全土に広まって、日本風の刺身をも「フェ」というようになった。今では一般的な料理として通用しているが、コチュジャンやニンニクを添えたりするなどの独自の変化を遂げている。ユッケ、フェを参照。
中国遼寧省の大連周辺でも、日本の統治時代の影響で、ヒラメなどの海水魚の刺身や生ウニを食べる習慣が一部の中国人にも残された。中国の中華料理店でも順徳魚生の様にたれや薬味と和えて食べる料理だけでなく、イセエビやサーモンなどを切り分けて、練りわさびをたっぷり入れた醤油につけて食べる事が一般的になっている。
問題点など [編集]
イメージ
「刺身」は、現在では海外でもそのまま"sashimi"で通じるようになってきているが、従来の一般的な英語訳は"raw fish"(生魚)であった。こうした翻訳の問題もあって、生の魚肉を食する習慣が無い地域では、「日本では魚などを生のままで食べている」という理解を取ることがある。これは「気持ち悪い」という悪いイメージであり、生で食べることが良く思われていないことに因る。「生」を「釣ったばかりで未調理の丸のままの魚」の意味にとられている場合もある。
不十分な知識による調理
ふぐの調理免許を取得せずに刺身にする、川魚、一部の貝類を刺身にするなどは事故が発生しやすい。
日本国外での危険
生で食べると食中毒や寄生虫に感染する危険がある。もちろん伝統的に食されているものは、そのような危険性が低いからこそ食べられ続けているのである。しかし、刺身に慣れた日本人が他国で刺身を求め、地元の料理人が伝統にない材料を刺身として提供し、そのような危険が生じる場合がある。顎口虫(がっこうちゅう)などはその例である。
生もの
鮮度の落ちやすい魚や鮮度が悪い魚、不衛生な調理では、食中毒や蕁麻疹、アナフィラキシーショックを発生させる危険がある。
体質
体質や生の魚肉に体が慣れていない一部の人が刺身を食べることによって、グリセリドなどの脂肪分を十分に分解できずに腹を下すなどの変調を起こすことがある。
魚介類以外の刺身 [編集]
今日において、魚介類に限らず刺身のように切って形を整え、わさび醤油などで素材そのものの風味を食するものを刺身と呼ぶ場合がある。主なものとしては以下の例がある。
こんにゃく
加工品としてのこんにゃくを短冊切りなどにしたものをわさび醤油や酢醤油、酢味噌などで食すものである。
湯葉
生湯葉を用い、わさび醤油、酢味噌などで食す。
蒲鉾
板付きの蒲鉾などをそのまま、短冊切りにしてわさび醤油などで食す。居酒屋の酒肴として知られる板わさはその一種である。
肉類
新鮮な牛肉や馬肉は刺身で生食されるほか、鶏肉では笹身がよく用いられる。そのほか、鯨肉なども刺身として知られた。また、豚肉は寄生虫感染のリスクが高かったために、生食を行わないのが一般的であるが、茹で上げた身を「冷豚」「ゆで豚の刺身」などと称してわさび醤油、ポン酢などで食する料理がある。